歯科技工士とは
歯科技工士の仕事
虫歯や歯周病、その他の理由で歯の一部分や歯の全体を失うことになった場合、食べ物を食べたり、話したりすることが行いにくくなるだけではなく、歯並びや噛み合わせのバランスが崩れることで、全身の不調をきたすこともあります。
また、見た目的な美しさの問題もあり、歯科では失った歯の代わりとなる人工的に作った歯や装置で修繕することになります。
歯科医師の指示に従って、失われた歯を補うための義歯(入れ歯)やクラウン(さし歯、金冠)、矯正装置などを製作したり、修理する仕事を行うのが歯科技工士です。
少しでも歯に食べ物が挟まったりすると不快な思いをします。それぐらい口の中は非常に敏感な場所です。その敏感な口の中に常時入れておいても違和感がないような、義歯やクラウンを製作する精巧て正確な技術が歯科技工士には求められます。
また、機能的な面でも快適に使用できる必要があり、学術的論理に基づいた再現性が求められます。
審美歯科の分野では、見た目的な美しさが求められるため、新しい素材や方法の知識・情報を常に集めて実践していくことも大切であり、センスも求められます。
歯科技工士は、厚生労働大臣の定める国家資格であり、所定の養成校を卒業した後、国家試験に合格する必要があります。
歯科技工士が製作するもの
1、クラウン(銀歯)
クラウンとは冠=被せもののことで虫歯などで大きく歯を削った場合、歯の全体に金属を被せることになります。銀歯と呼ばれるもので、石膏で歯形をとり、ワックスを盛り付けてクラウンの形を作ります。
2.セラミック冠
虫歯などで歯を削った時や、歯が欠けてしまった時に用いられます。セラミック材料の被せ物で、天然の歯と見た目が近く違和感がないのが特徴です。
3.ブリッジ
虫歯などで失った歯を補うために、近くに残っている歯で橋渡しをして補うという方法です。
残った歯を削り、削った部分と失ったは全体を補う被せものを作ります。
4.総入れ歯
全ての歯を失った場合に、代わりの歯となるものが総入れ歯です。
型をとった後に、噛み合わせを測って作成します。
5.局部義歯
残っている歯や顎などを支えに作った部分的な義歯です。
6.インプラント
顎の骨にネジを入れて骨と結合するのを待ってから、人工の歯を被せたものです。
7.矯正装置
歯並びや噛み合わせに問題がある場合に、本来なってほしい位置に直すための装置です。取り外しできるものや歯に直接取り付けるものがあります。
以上のようなクラウン、義歯、矯正装置などの製作、修理を歯科技工士は行います。
歯科技工士に求められること
歯は食べ物を咀嚼するという役割を持ち、人が生きていく為に必要不可欠な役割を担っています。
歯のトラブルは、食べるという行為を阻害して健康面に影響を与えるだけではなく、美味しく食べるという楽しみさえも奪ってしまいます。
歯のトラブルを解決するために、代わりの歯となるものを製作する歯科技工士は、人の体の一部となるものを作り、口の中の健康を支える大事な仕事を行います。
製作したものが口の中で機能的に働くためには、歯科に関する基本的な学問知識はもちろん、歯科で使われる器具や材料の取扱いなどにも熟知しておく必要があり、製作面での技術の精巧さ、正確さも求められます。
審美目的での製作では、見た目の美しさ、バランスの良さ、精度の高さが求められます。
発展が目覚ましい歯科の世界で働くには、常に最新の情報にアンテナを張り、知識と技術を磨く向上心が必要といえます。
歯科技工士は、歯科医師、歯科衛生士とのチームの中で、歯科技術職としての専門性が求められます。患者様にとってより良いものを製作するためには、歯科医師とコミニュケーションを積極的にとっていくことも重要です。
患者さんとは歯科医師や歯科衛生士と比べると、面と向かって関わることは少なく、コツコツと集中力のいる作業を裏でこなしているイメージが強いですが、縁の下の力持ちとして歯科医療を支えるエキスパートと言えます。