インプラントとは何?インプラントの構造はどうなっているの?
1.インプラントって何?
インプラントという名称は、皆さんも一度は聞いたことがあると思いますが、いざインプラントについて説明せよと聞かれた場合、「インプラントって義歯だろう」と回答することが出来る方はいるかも知れませんが、詳しく説明出来る方は、大変少ないのではないでしょうか。
そこで、まずインプラントとは何かについてわかりやすく説明します。
まず、インプラント言う言葉そのものを「義歯」と定義してしまうと、正確だとは言えません。
インプラントとは元とも人体に接合させる、或いは内蔵させる医療器具の総称なのです。
従って、少し正確に説明すると、インプラントとは例えば歯を失った方の歯科治療において、義歯を失った部分の歯茎、正確にはその歯茎を支える顎の骨と義歯を接合させるための用具の総称が「インプラント」だと言えるのです。
このインプラントの義歯部分を除いた主な構造ですが、金属、もっと正確に言えば「チタン」という金属で出来ています。
形状の構造としてはネジそのものと言ってよく、ネジ同様に螺旋系の溝で表面が覆われています。
つまり、例えはやや不適切かも知れませんが、家具等で板と板をネジで接合するあの要領と基本的には同じで、顎にしっかりとネジとなるインプラントを埋め込み、そのネジのインプラントに義歯を装着する、つまり義歯と顎をつなぐ役目を果たしているのがインプラントと言えます。
2.インプラントと義歯と顎の接合構造
実は、インプラントでよく誤解されているのが、インプラントと義歯、そして顎の接合のさせ方です。
実はこの接合方法はワンパターンと言うことではなく、幾つかの方法がありますが、この方法を理解するには、インプラントを構成する3つのパーツについて理解しておく必要があります。
インプラントとは「インプラント体」、「アバットメント」、「義歯」という3つのパーツで構成された構造になっています。
「インプラント体」というのは、言ってみればネジにあたるチタンで出来た金属部分のことです。
また、「義歯」は特に説明の必要はないと思いますが、表面上普通の歯に見えるように人工的作られたものです。
で、皆さんにとって最も馴染みのない用語が「アバットメント」だと言えます。
アバットメントとはネジであるインプラント体と、義歯の間で両者を繋ぐ役割と共に義歯を支える土台のような役割を果たすものです。
この基本的な構造は同じですが、それら3つを接合する方法が実は大きく二つに区分出来ます。
一つがアバットメントと義歯をネジのようなもの(スクリュー)で接合する方法と、もう一つがアバットメントと義歯をそのまま接着剤で接合する方法の二つがあるということを理解しておいて下さい。
3.インプラントで義歯を取り外せる構造と取り外せない構造の違いとは
インプラントは「インプラント体」、「アバットメント」、そして「義歯」と基本的には3つのパーツから構成された構造になっていること、また義歯とアバットメントの接合方法には、スクリューネジで接合する方法とセメント等の接着剤で接合する方法があることを、ご紹介しました。
ところが、このアバットメントと義歯とインプラント体をネジや接着剤で接合させた場合、義歯を取り外すこと、正確にはインプラント治療を受けた本人自身が歯科医に頼ることなく、自分で義歯を外すことは出来ないのです。
このことを聞くと、少し詳しい方の中には「たしかインプラントは自分で義歯を取り外しできたのでは」と疑問に思った方がいると思います。
実は、その通りで、インプラントには義歯を自分で取り外すことが出来る接合のさせ方もあるのです。
この義歯を取り外しや装着が出来るインプラントの構造や接合方法を簡単にご説明しますと、まず、その方法はインプラント体、アバットメントと義歯の3つのパーツだけでなく、更にインプラント体を覆うように装着させるパーツを利用します。
このパーツは同時に義歯の内側も覆っており、言うなればインプラントと義歯の接合が完全に固定されない代わりに、幅広く覆うことで義歯とインプラント体の接合関係を強固にする働きをしています。
このように、インプラントには義歯を完全に固定させて自分では取り外し出来ない構造と、取り外し可能な構造という2つの分け方も出来ると言えます。