静脈内鎮静法に関連する用語の説明
歯科麻酔医
麻酔って言うと「歯医者ならだれでもできるでしょ?」と思われますが、ここでいう麻酔はからだ全体への麻酔のことを示します。すなわち歯科麻酔医とは、歯科治療に必要な鎮静法や全身麻酔を行うことができ、からだのことについて精通しその状態を監視できる歯科医師のことをいいます。
その資格としては、経験に基づいて日本歯科麻酔学会が審査、試験を行い認定しています。
BLS/ACLS (救命処置)
治療で患者様が急変、特に反応がなくなり血の巡りや自力での呼吸が認められない場合は、胸骨圧迫や人工呼吸、除細動(からだに電気ショックを与え、心臓が正常に機能するよう助けること)を行わなければなりません。
アメリカ心臓協会では、これらが常日頃から行えるよう2年に一度はBLS(一次救命処置)、ACLS(二次救命処置)の講習会に参加して実習を行うことを提唱しています。当院の歯科麻酔医も参加し、スキルが維持できるよう努力しています。
全身麻酔
全身麻酔とは、口や鼻から気管にチューブを挿入(気管挿管)し、人工呼吸をしながら麻酔ガスを肺に送り込んだり、静脈からも薬剤を投与する大掛かりな方法です。
ちなみに歯科や口腔外科で行われる全身麻酔は「顎骨骨折整復術」や「顎矯正手術」、「腫瘍切除術」、「障がいをもつ患者様に対する集中歯科治療」などが適応となり、入院して行うのが一般的です。
局所麻酔
ずばり「麻酔」とは、薬剤を用いて一時的に痛みや苦痛を取り除くことを言います。
全身麻酔に対して、局所麻酔は治療によって口の中の痛くなることが想定される部位にあらかじめ注射を行い、感覚をにぶらせることです。口の中に使用される麻酔薬には感覚をにぶらせる成分の他に出血をおさえる成分(アドレナリンなど)も含まれています。
点滴
点滴とは、血管(静脈)に管を入れて、水分や栄養の補給をしたり、必要な薬剤を投与することを言います。
もし、鎮静薬や鎮痛薬、抗生剤や救急薬など、いろいろな薬を投与したいという時に、その度に注射をしたらどうなるでしょう。いくら針があっても足りませんし、患者さんは何回も刺されて手術前にひっくり返ってしまいます。点滴を確保することで薬を管から入れることができ、そのような苦痛から回避できます。
薬剤注入器
薬を一定の速さで投与する時に自動で注射器を押す器械です。
もともと効いている時間が短い薬だけど、ずっと作用させたいという場合に有効です。
一般病院のICUなどでは器械を複数使うことがありますが、当院では鎮静法の場合は主にプロポフォールを投与する時に使います。
生体監視装置
モニターとも呼びますが、患者様のからだが元気かどうかを教えてくれる装置です。
血圧、脈拍(心拍)数、心電図、酸素飽和度などの生体情報を流してくれます。
異常が出現すると、ものすごく大きなアラーム音で教えてくれます。